許可が必要になる工事
建設業を営もうとする者は、政令で定める軽微な建設工事のみを請け負う場合を除き、建設業の許可を受けなければなりません(建設業法 第3条 第1項)。軽微な建設工事とは、建築一式工事以外では 工事 1 件の請負代金の額が 500 万円に満たない工事です(建設業法施行令 第1条の2 第1項)。1 つの工事を 2 つ以上の契約に分割したときは、正当な理由がある場合を除き合計額で判断し、注文者が材料を提供する場合はその市場価格などを請負代金に加えて判断します(同条 第2項・第3項)。
大切な点LAN 配線や Wi-Fi の工事でも、1 件の請負代金が 500 万円未満なら許可は不要です。名簿に載っていない会社がネットワーク工事をできないわけではありません。名簿は「許可を受けている会社」を探すための手がかりです。
電気通信工事業の内容
建設業の許可は、建設工事の種類(別表第一)ごとに受けます(法 第3条 第2項)。国土交通省の「業種区分、建設工事の内容、例示、区分の考え方」では、電気通信工事の内容を「有線電気通信設備、無線電気通信設備、ネットワーク設備、情報設備、放送機械設備等の電気通信設備を設置する工事」とし、次の工事を例示しています。
- 有線電気通信設備工事、無線電気通信設備工事
- データ通信設備工事、情報処理設備工事、情報収集設備工事、情報表示設備工事
- 放送機械設備工事、TV 電波障害防除設備工事
オフィスの LAN 配線・無線 LAN・ビジネスフォンの主装置や配線の工事は、この業種に当たります。既に設置された電気通信設備の改修・修繕・補修も電気通信工事に当たりますが、保守(点検・整備・修理)に関する役務の提供は電気通信工事に当たりません(同資料「区分の考え方」)。
知事許可と大臣許可
| 区分 | 条件(法 第3条 第1項) | 許可行政庁 |
|---|---|---|
| 知事 | 営業所が 1 つの都道府県内だけにある | その都道府県の知事 |
| 大臣 | 2 つ以上の都道府県に営業所がある | 国土交通大臣(窓口は地方整備局など) |
区分は営業所の所在地で決まるもので、工事を行う地域を限定するものではありません。知事許可の会社が他の都道府県の現場で工事をすることもあります。
一般建設業と特定建設業
発注者から直接請け負う 1 件の工事について、下請代金の額(下請契約が複数ならその総額)が政令で定める金額以上となる下請契約を結んで施工する会社は「特定建設業」の許可が必要です(法 第3条 第1項 第2号)。それ以外は「一般建設業」です。発注者の側から見ると、特定許可は元請として大きな下請契約を結べる会社の区分で、工事の品質や会社の規模を直接示すものではありません。金額の基準は建設業法施行令 第2条で確認してください。
有効期間と更新
許可は 5 年ごとに更新を受けなければ、期間の経過によって効力を失います(法 第3条 第3項)。名簿の「有効期限」が確認日より前の行は、許可が切れている可能性があるため、このサイトでは掲載していません。
許可の基準(概要・法 第7条)
- 経営業務の管理を適正に行うに足りる能力があること(国土交通省令の基準)。
- 営業所ごとに専任の技術者がいること(学歴と 3 年または 5 年の実務経験、10 年の実務経験、または国土交通大臣の認定など)。
- 請負契約に関して不正・不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないこと。
- 請負契約を履行するに足りる財産的基礎・金銭的信用を有しないことが明らかな者でないこと。
財産的基礎の具体額や特定建設業の追加の基準(法 第15条)は、国土交通省の建設業許可事務ガイドラインと各都道府県の手引きで確認してください。
許可業者数
国土交通省の「建設業許可業者数調査」(令和8年5月15日発表)によると、令和8年3月末現在で電気通信工事業の許可を持つ業者は全国で 16,764(前年は 16,523)です。1 つの業者が複数の業種の許可を持つため、業種別の数は業者の総数(483,823)とは一致しません。この数は国土交通省が発表した全国の統計で、このサイトが掲載している名簿の件数ではありません(このサイトは一部の都道府県の名簿のみを掲載しています)。
法令・公的資料の内容を一般向けに整理したものです。個別の工事に許可・資格が必要かどうかは、許可行政庁(都道府県・地方整備局)や総務省の総合通信局、所管の産業保安監督部に確認してください。確認日: 2026-10-20。